もうひとつの恋

そこまではっきり言われると、返って気持ちがいいかもしれない。


でもこのまま黙って今の関係を続ければ、自分の気持ちが宙ぶらりんになってしまう。


それならやっぱり気持ちを伝えて、それでも今の関係でいられるならその方がいい。


「そうですよね

俺、やっぱり頑張ってみます！」


自分を励ますように元気よく言うと、残りのビールを一気に飲み干した。


ぷはぁと言いながら、ジョッキをテーブルに置くと、美咲さんの分も一緒に追加でビールを注文する。


「それで、美咲さんにお願いがあるんですけど……」


「何よ？改まって」


「もう少し暖かくなったら、健太を連れて動物園に行く予定なんです

その時、たぶん……いや、絶対！さとみさん、美咲さんも誘うと思うんですけど、断ってほしいんです」


「そっか、そこで気持ち伝えんのね？」


「……はい」