もうひとつの恋
俺は思いきって、本音を漏らしてみた。


「えぇ?別に三人でもよくないですか?

美咲さんも忙しいだろうし……」


「そういうわけにはいかないの!

みんなで行った方が楽しいでしょ?」


はぁぁ……やっぱダメか……


あっさり玉砕して、俺は諦めながら、やっぱり美咲さんにお願いしといて正解だったなと思う。


「じゃあ楽しみにしてるね?
いつもありがとう」


さとみさんは楽しそうにそう言って、静かに電話を切った。


小さく息を吐いて、持っていた携帯電話をしまう。


いよいよだな……


俺は日曜日に行くだろう動物園に思いを馳せる。


そしてこの4年越しの恋にとうとう決着をつけるんだな……と少しだけしんみりした気持ちになった。


どんな結果になっても、前向きにいられるように……


そう心に決めて昼休みの残り時間を確認すると、食事をするために食堂に向かった。


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