もうひとつの恋
いよいよ明日は動物園だ。
やっぱり緊張するなぁ……
ちゃんとさとみさんに気持ちを伝えられるんだろうか?
間近に迫る告白タイムに、俺は落ちつかなくてベッドの上で何度も寝返りを打つ。
ブブブブブ……ブブブブブ……ブブブブブ……
枕元に置いてあった携帯が急に震えだした。
こんな時間に誰だろう?
チラッと時計を見ると、もう10時を回っている。
携帯を開いて着信欄を見ると、美咲さんからだった。
通話ボタンを押して携帯を耳に当てると、元気な声が聞こえてくる。
「もしもーし!桜井?
もう寝てた?」
「寝てたら電話なんか出ないですよ
どうしたんすか?」
「昨日、さとみから電話あって、明日の動物園に誘われたよ?」
妙に楽しそうな口調で、彼女はからかうように続ける。