もうひとつの恋
そんな健太とテレビのヒーロー者の話や流行ってる歌を歌ったりしながら、動物園に着くまでの時間を過ごした。


ようやく動物園に着くと、健太は嬉しい気持ちを抑えられない様子で、すぐに車から飛び出していく。


俺は慌てて健太の後を追いかけると、背中から羽交い締めにするように捕まえた。


そんな俺たちの後を、ホッとしたように追ってきたさとみさんが、「危ないでしょ？」と健太を叱る。


さとみさんはシュンとしてしまった健太の手を、今度は優しく繋いであげた。


すると健太は許してもらえたと思ったのだろう。


嬉しそうにさとみさんの手を握り返すと、もう片方の手を俺に差し出してきた。


俺とさとみさんの間で嬉しそうに歩きながら、健太はゾウが見たいとはしゃぎはじめる。


そうか、そう言えば、ゾウが一番好きだって言ってたっけ……


お目当てのゾウの場所に着くと、人が溢れていて健太はピョンピョン跳ねながらゾウをなんとか見ようと頑張っていた。


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表紙・目次

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