もうひとつの恋
しかも寝てたんならなおさら体重だってもろにかかってくるだろうし……

「すみませんでした……

あの……大変でしたよね……?」


おずおずと上目遣いに聞いてみると、美咲さんは待ってましたとばかりに昨日の出来事を捲し立てる。


「あんたをタクシーに乗せるまでは何とか店の人が手伝ってくれたからなんとかなったけど!

そのあと、タクシーから降ろすだけでも一苦労で、見かねたタクシーの運転手さんが手伝ってくれたのよ

それでエレベーターに乗せたまでは良かったけど、部屋に入れるときも、あんたを担いでベッドまで運んだんだから!」


やっぱり……


そうとう大変だったんだろうな?


俺は申し訳なく思いながら、もう一つ疑問に思っていたことを口にする。


「あの……それでもうひとつ質問があるんですけど……」


「何よ……」


心当たりがあるのかないのか、さっきのような勢いはなくなっていた。


「俺……なんで裸なんですかね?」


その瞬間、美咲さんは急に俺から目を反らして動揺したように顔を赤らめた。


まさか……


そう思ったと同時に、俺はそれを口に出してしまっていた。


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