もうひとつの恋
当たり前だ……初めて言うんだから……


しかも相手が相手なだけに、課長に言えるわけもない。


俺はこれ以上詮索されたくなくて、課長に歯止めをかけるように言った。


「もういいんですよ

ほっといてください!

キッパリ諦めましたから……

あ、もうそこ!触れないでくださいね!」


課長は俺の真意をわかってくれたのかくれないのか、しぶしぶそれを了承した。


「わかったよ

でもまあ、あれだ!

俺もフラれたようなもんだし、お互い前向きに頑張ろうぜ?」


慰めてくれてるんだろうが、今の俺には逆撫でするような言葉にしか思えない。


自分と同じだと思われるなんて心外だった。


俺は課長みたいに寂しさを埋めるために結婚したりはしない。


俺のさとみさんへの思いを、課長と一緒にされたくなかった。


「部長と一緒にしないでくださいよ

俺のは純粋な片想いだったんですから!」

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