もうひとつの恋
とりあえず夕飯は作ってくれてるようだからと、雑誌とビール、それに結衣の好きそうなデザートだけ買ってコンビニを後にする。


急いで帰らなきゃと思う反面、面倒くさいという思いもあった。


特に今日は課長のことでモヤモヤが晴れない。


そんな日に結衣の相手をしなくちゃならないのは正直……苦痛だった。


課長の奥さんに一目惚れしてしまったあの日から、結衣との関係はギクシャクしたものになっている。


叶わない恋だとわかっていても、他に好きな人がいるのに結衣と付き合ってることにどうしても罪悪感を感じてしまうのだ。


どうしたらいいんだろう?


やはりはっきりと自分の気持ちを伝えるべきか……


アパートへの道を歩きながら、結衣とどう話すべきか考える。


このまま付き合い続けても、結衣を傷つけるだけだ。


今夜はいい機会なのかもしれない。


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