もうひとつの恋
「それで今後のことなんですけど……」


ようやく本題に入ると、美咲さんもうんうんと頷いて、先程とは違って真面目な顔で俺の話を聞いてくれる。


「あの二人のことだから、お互いがお互いに気を遣いすぎて、二人きりでなんか急に会わないと思うんですよね」


「あぁ、確かに……

二人とも似た者同士だからね?」


二人の顔でも頭に浮かんだのか、苦虫を噛み潰したような表情で、美咲さんは呆れたように呟いた。


「みんなでどっかに出かけるっていうのはどうですかね?」


俺がそう提案すると、美咲さんもそれに乗っかって、さらに案を出してくる。


「もうすぐ桜の季節だし、お花見に誘ってみよっか!」


お花見か……いいかもしれない!


「いいですね?

じゃあ現地集合ってことにして、俺が部長を連れていきますよ!」


「よし!じゃあ決まりね?

さとみには私から言っとくから!

桜井が珍しく友達連れてくるってことにしとけばいいよね?」


俺はそれに頷くと、どう部長を誘おうかと頭の中で考え始めた。


< 221 / 432 >

この作品をシェア

pagetop