もうひとつの恋
それと同時に、場所をどこにするかも考えなくてはいけない。


「場所はどうします?」


そう聞いてみると、もうすでに美咲さんは面倒くさくなっているようで、ビールのお代わりを頼みながら俺の顔を見て言った。


「場所はさ、また今度にしない?

どこがいい桜のスポットなのかもわかんないし、さとみにも一応聞いた方がいいかもしれないし……」


絶対、面倒くさいに違いないと思ったけれど、まだ先の話だし、また今度みんなで場所を考えるのも悪くないかもしれない。


「わかりました

じゃあみんなの休みの予定が合う日に、花見スポットの雑誌かなんか買っていきますよ」


「いや、私はネットで調べるから」


もう酔っぱらっているのか、美咲さんはなぜか挑戦的に俺の意見を否定した。


「いやいや、雑誌で見た方がゆっくり見れるし、わざわざ調べなくても、そこに全ての情報満載ですって!」


別にネットでも良かったんだけれど、なんとなく負けたくなくて、俺はそう突っかかってみる。



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