もうひとつの恋
花見からの帰り道――
予想に反して、あまり機嫌が良さそうではない課長に戸惑いながら、俺は今日の感想を少しテンションをあげて聞いてみた。
「部長、どうでした?
今日のお花見はサプライズだったでしょう?」
すると部長は先ほどよりもさらに不機嫌そうな顔をして、俺を睨む。
「なんでお前とさとみたちが繋がりもってんだよ……
いつからなんだ?」
別にいつからだっていいじゃないか……
気持ちはわかるけど、そんなこと部長に言われる筋合いじゃない。
あんたが他の女にうつつを抜かしてる間に仲良くなったとでも言ってやろうか?
部長の、自分のものを取られたみたいな言い方に、俺はそうとう頭にきていた。
でもそれは表には出さないように気を付けながら、さとみさんとちゃんと話が出来たのかどうかを確認する。
「まあいいじゃないっすか?
それより久々にさとみさんに会って、いろいろ話出来ました?」