もうひとつの恋
俺と美咲さんが、なんとか二人を会わせるために、頑張って企画した今日の花見……


それなりに成果をみせてくれないと困る。


少しは今後のことでも話せたのかな……と思っていただけに、部長が言った次の言葉は俺を心底、失望させた。


「つーか、さとみ……結婚してたんじゃないか

子供までいるなんて驚いたよ……

お前、知ってたんだろ?

ならなんで会わせたりしたんだよ」


――はぁ?


何を言ってんだ?この人は……


もしかして同じことさとみさんにも言ったんじゃないだろうな?


なんで会わせたかだって?


自分が言ったんだろ?さとみさんを忘れられないって!


確かに何も説明はしなかったけど、自分の子供だとはこれっぽっちも思わなかったんだろうか?


俺はどんどん沸き上がる怒りを必死に抑えて、いつもより声のトーンを落として聞いた。


「さとみさんが……そう言ったんですか?

結婚したって……」


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