もうひとつの恋
「受付で、急に体調悪かったのか倒れて……
俺、その時ちょうど通りかかって、抱き起こしてソファーに座らせたんです
顔……見たらすぐ部長の奥さんだってわかりました
以前見たときよりも、かなり痩せて……やつれてましたけど」
あの時、部長はさとみさんが痩せたことにも、体調が悪いことにも、全く気づいてなかった。
そんなことを思い出しながら、俺は部長が知らなかったであろう事実を伝えた。
「そのあと、さとみさんが帰ろうとしたとき……
部長があやさんと二人で店から出てきたところを俺とさとみさん……見ちゃったんですよ
でもさとみさん……
自分がショックを受けたはずなのに、俺に口止めしたんですよ……
今、見たことは誰にも言わないでって……
私が来たことも内緒にしてって……
自分のことより部長を庇うさとみさんが痛々しくて見てられなくて……
俺……なんかあったら電話くださいって名刺渡したんです」
俺、その時ちょうど通りかかって、抱き起こしてソファーに座らせたんです
顔……見たらすぐ部長の奥さんだってわかりました
以前見たときよりも、かなり痩せて……やつれてましたけど」
あの時、部長はさとみさんが痩せたことにも、体調が悪いことにも、全く気づいてなかった。
そんなことを思い出しながら、俺は部長が知らなかったであろう事実を伝えた。
「そのあと、さとみさんが帰ろうとしたとき……
部長があやさんと二人で店から出てきたところを俺とさとみさん……見ちゃったんですよ
でもさとみさん……
自分がショックを受けたはずなのに、俺に口止めしたんですよ……
今、見たことは誰にも言わないでって……
私が来たことも内緒にしてって……
自分のことより部長を庇うさとみさんが痛々しくて見てられなくて……
俺……なんかあったら電話くださいって名刺渡したんです」