もうひとつの恋
そう……本当に心配していた。


そして部長は悪くないんだと……


彼女は必死に言ったんだ。


「部長が……離婚したって、知った時

俺……どうしても許せなくて……しばらく部長と口聞かなかったり、顔合わせないようにしてたの……覚えてますか?」


「ああ……覚えてるよ

あの時はお前がさとみを気に入ってたから、俺のこと怒ってるんだろうなって思ってた

でも何度も忠告されてたし、お前が怒るのも無理ないな……って」


「でも俺しばらくして普通に接するようになりましたよね?

何でだと思います?」


わかるわけない……


そう思いながらも聞かずにはいられない。


「いや……俺もそれは不思議に思ってた……」


そうだろうな?あなたはあの時、自分だけが傷付いてると思っていたんだから……


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