もうひとつの恋
「でも……俺が振られて……

この先さとみさん……ずっと一人で健太を育てていくのかと思ったら……

まださとみさんを思い続けてる部長と、よりを戻すのが一番いいんじゃないかって思って……」


泣いちゃダメだ。


そう思えば思うほど、今までのことが頭に浮かんで、感情が高ぶる。


「それなのに、子供がいたくらいでなんすか!?

部長の気持ちなんてそんなもんだったんですか?

せめて……もし相手が幸せそうで家庭があったとしても、引き下がる前に自分の思い伝えるくらいしたっていんじゃないすか?

振られたっていいじゃないですか!

たまにはカッコ悪いくらい正直にぶつかってみたらどうなんですか!?

そんなこともなにもしないですごすご引き下がって……

……それでも、相手が幸せならいいと思えてるんならいいですよ!?

俺に八つ当たりするくらい悔しかったんでしょう?

自分が幸せに出来なかったことが!」


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