もうひとつの恋
俺は今の気持ちを精一杯、部長にぶつけた。


言いたいことを全て出しきって肩で息をしながら、部長がどう答えるのかを見守る。


「……悪かった

お前にそこまで言われなきゃ気づかないなんて……

ほんと……最低だな?俺……

俺……もう一度さとみと向き合ってみるよ

どんな結果になっても、自分の気持ち……話してみる

今まで何にも知らないで、お前にも迷惑かけて……

ほんと……ごめんな?」


ようやくわかってくれた。


俺は部長がさとみさんと向き合う決意を固めたことを、複雑な思いで聞いていた。


「さとみさんを……

……よろしくお願いしますね?」


そうゆっくりと自分の思いを部長に乗せると、やっと自分の気持ちにケリがついたように感じる。


これで、二人は元の鞘に収まるだろう。


少しだけ肩の荷が下りたような気がして、俺は自分の長かった恋にさよならを告げた。



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