もうひとつの恋
さとみさんがいない代わりに、今日は美咲さんが珍しく昼飯を作ってくれていた。


キッチンの方に目をやると、何やら一生懸命作っている。


その真剣な表情が可笑しくて思わず笑ってしまった。


健太はそんな俺を見て首を傾げる。


「じゅんちゃん、なにわらってんの?」


――やべっ!


見られてた……


「あははっ、別に何でもないよ?」


俺はそう言って、健太をくすぐってなんとかごまかした。


「お待たせぇ」


どうやら昼飯が出来たらしい。


「わぁい!みいちゃん、なにつくったの?」


健太がテーブルに駆け寄りながら、美咲さんに嬉しそうにそう聞いた。


「えへへ、みいちゃん特製の焼きばだよ?」


「わぁい!やきそばだいすき!」


健太は大喜びでそう言うと、待ちきれないといった様子で両足をピョンピョン跳ねさせる。


目の前に焼きそばの皿を出されると、嬉しそうに食べ始めた。


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