もうひとつの恋
休みの日にはほとんど俺たちと過ごしてるとこを見ると、少なくとも俺と出会ってからはいないように思う。


美咲さんは綺麗だし、料理も出来るなら、いてもおかしくないのにな……と不思議に思った。


「美咲さんて彼氏とかいないんですか?」


急にそんなことを聞かれて驚いたのか、美咲さんは焼きそばを口の中に入れながらむせてしまう。


「ゴホッゴホッ……ちょっと何?

突然、変なこと聞くからむせちゃったじゃない!」


「いや、素朴な疑問なんですけど、俺と出会ってから彼氏とかいなさそうだったから、不思議に思って……」


「失礼ね!私だって彼氏くらいいたわよ……」


勢いよく言ったものの、だんだん声が小さくなっていく。


しかも過去形なところが笑えた。


「へぇ、いつ頃いたんですか?」


なんとなく意地悪したくなって、もっと突っ込んで聞いてしまう。


「まあ……桜井と出会ってから一年後くらいに別れたんだけどさ……」


「えっ!?知らなかったです!

そんな人がいたなんて

なんで別れちゃったんですか?」


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