もうひとつの恋
俺は失礼かなと思ったけれど、もう何年も前の話だから時効だろ……としつこく掘り下げた。


「CA時代にイタリアで知り合った人だったんだけどさ……

仕事変わってからなかなか会えなくなって、プロポーズもされたんだけど、日本を離れたくなくて断っちゃったのよ……」


そうか、美咲さんクラスだと日本人じゃもて余しちゃうのかもしれないな……


外国人と付き合うってどんな感じなんだろ?


「さすが美咲さんですねぇ?

外国人と付き合ってたなんてスケールが違うなぁ」


「別にたまたま気の合ったのが、イタリア人だっただけだから……

ていうか何で私がそこまで話さなきゃいけないわけ?」


急に我に返ったのか、恥ずかしそうにそう言ってくる。


「で?その後は誰とも付き合ってないわけですか?」


懲りずに俺がそう言うと、美咲さんは声を荒げて言った。


「だから!何であんたにそこまで詳しく話さなきゃなんないのよ!

だいたい、あんたとさとみのことで頭が一杯で、そんな余裕なかったつーの!」


「はいはい、わかりましたよ

すいませんでしたね?

迷惑かけちゃって」


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