もうひとつの恋
「美咲はね?

割とああみえてウブなんだよ?

人にはガンガン言うくせに、自分は奥手なの

イタリア人の彼ね?
フフッ、彼はストレートだったからね?

美咲をグイグイ引っ張ってくれてた」


そうだったのか……


じゃあやっぱりたまに見せる少女のような反応は見間違いじゃなかったんだ。


俺は一生懸命強がる美咲さんの顔を思い出して、自然と笑みがこぼれた。


だけどそうとは知らずに俺は美咲さんを傷つけたらしい。


「美咲さんとこれからどうしたらいんですかね……」


俺は途方にくれながら、さとみさんに助けを求める。


「美咲もさ、たぶん自分の感情に戸惑ってるんだと思うんだ

歳のことだってきっと気にして自分からは気持ちを伝えられないと思う

桜井くんはどうしたいの?

美咲はきっと自分の気持ちに整理がつくまでは桜井くんと連絡とらないつもりなんじゃないかな?

でも整理がつけば、何でもなかったようにまた連絡してくるような気がするんだけど……」


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