もうひとつの恋
俺はいったいどうしたいんだろう?


このまま会えなくなるのは辛い……


だけどもし美咲さんが俺に好意を持っていたとして、俺はそれを受け入れられるんだろうか?


自分の美咲さんへの好きという感情がどの種類の好きなのかがわからない以上、迂闊なことは出来ない。


「正直言ってどうしたいのか全然わかんないです……

美咲さんに避けられるのは辛いけど、今の時点で彼女の気持ちを受け入れられるかっていうと、それはわかんないし……

変に思わせ振りな態度をして、後で傷つけるようなことは絶対したくないんで……」


俺は今の素直な気持ちをさとみさんにぶつける。


彼女はクスッと笑いながら、俺に優しく言った。


「相変わらず桜井くんは優しいんだから……

ただ優しいだけじゃなくて、相手を傷つけないようにっていつも先のことまで考えてる……

ほんと偉いよね?

健にしても、美咲にしても、私だって……

こんなに歳が離れてるのに自分のことしか考えてなくて、恥ずかしいくらいだよ」


< 296 / 432 >

この作品をシェア

pagetop