もうひとつの恋

「わかりました
じゃあ質問にお答えしますね？

私が感じた印象ですけど、やっぱりその方は桜井さんを男性として意識してると思いますよ？

私と会うって聞いて、やきもちやいたんじゃないですかね？

だけど普通なら気になってあれこれ詮索すると思うんですけど、特にケンカしたわけでもないのに、それから連絡とれないってことは、自分のした行動に戸惑ってるんじゃないかなぁ……

それでどうしていいかわからなくて、連絡断ってるような気がします

まだきっと自分が桜井さんに特別な感情を持ってることに気付いてないか……

もしくは気付いたからこそ桜井さんと連絡とることが怖いのか……

どっちかだと思います」


そうはっきりと言い切る彼女の言葉は、まるで美咲さんに話を聞いてきたんじゃないかと思うくらい自信に満ちていた。


さとみさんに同じようなことを言われた時よりももっと、俺の中に彼女の言葉がじわじわと浸透してくる。


しかも美咲さんの性格からすると、その考えもあながち間違っているとも思えない。


自分の気持ちに気付いたことで、俺とどんな顔をして会ったらいいのかわからなくなってるんだとしたら、美咲さんならきっとそうするだろうと思えた。