もうひとつの恋
「いやぁ、驚いたな……
あれだけの情報でそこまでわかるものなの?

実は彼女の友達に相談した時もやきもちじゃないかとは言われたんだけどね?

まさか会ったこともない君からも同じ意見が聞けるとは思わなかったよ」


俺がそう言うと、彼女は少し得意気に笑う。


「話聞いてたら、なんとなく私とタイプ似てるんじゃないかって思ったんです

だから自分ならこうだろうなぁってことを並べただけなんですけどね?

だけど他の人にも相談して同じこと言われたのに、なんでまだ悩んでるんですか?

彼女に諦めないで連絡してるんですよね?」


やっぱり美咲さんと小嶋さんが似てると思ったのは間違いじゃなかったってわけか……


「いや……相談した相手に、放っとけばそのうち自分から連絡してくるからって言われてからは、連絡してないけど……」


俺の言葉に彼女は一瞬驚いたような顔をして、少し考えるようなそぶりを見せると、さっきとは違う静かな声で言った。


「たぶん……

桜井さんから連絡しなかったら、彼女の方からは連絡ないと思いますよ?」


「えっ……それってもしかして……

君ならそうするってこと?」


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