もうひとつの恋
「はい……

だって散々着信やメールがあったのに、急に連絡なくなったら、きっと呆れたか嫌われたかなのかなって思っちゃうと思いますよ?

特に今は動揺して自信なくしてる時なんだと思うし……」


確かにそれも一理あるかもしれない……と思う。


「でもこっちから連絡しても、ことごとく無視されるんだけど……

それでも連絡し続けた方がいいのかな?」


「それでもです

絶対いつか反応ありますから、諦めないで連絡してあげてください!

あ……でも桜井さんがその人とお付き合いする気があるんなら……ですけど」


あぁ、やっぱりそうだよな……


「それがまだ自分の気持ちがよくわからないんだよ

だから躊躇してるっていうのもあるんだけどさ……」


すると彼女はパアッと顔を明るくして嬉しそうに乗り出してくる。


「まだ彼女のこと好きかどうかわからないんですか?」


そんな期待するような目で見られても困るんだけどな……


「まあ……それはそうなんだけど……」


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