もうひとつの恋
いやいやいや……


何でそうなるかなぁ?


下手したら今のってプロポーズにも取れるようなセリフだったと思うんだけど……


美咲さんは相変わらず難しい顔をしながら、何かを考えている。


「いや……責任とかじゃなくて、俺の子供だし……

美咲さんとも結婚したいと思ったから言ったんですけど……」


美咲さんの中にある何かの地雷を踏んでしまったことに、俺は焦りながら必死に自分の気持ちを伝えた。


「えっ?……そうなの?

仕方なくとかじゃなくて?」


はあぁ……


やっぱりこの人勘違いしてたのか……


俺はガックリと肩を落として、大きくため息をついた。


「だって美咲さんが言ったんじゃないですか

自分と付き合うってことはイコール結婚なんだからって……

俺、そう言われて覚悟を決めて美咲さんと付き合ったんですよ?

美咲さんとなら結婚生活も悪くないなぁって」


俺の言葉にあっという間に顔を赤らめながら、彼女は目を泳がせて照れたように口を開く。


「あ……そっ、そうなんだ……

いや、でも……まさか本当にそう思ってるなんて思わなくて……

あの……ごっ、ごめんね?」


< 361 / 432 >

この作品をシェア

pagetop