もうひとつの恋
「もう一回……いい?」


頬っぺたをくっつけるようにして甘い声で囁くと、美咲さんはまた耳まで真っ赤にしながら、小さく頷いた。


それからゆっくりと振り返って、色っぽい目で俺を挑発する。


「桜井……大好き」


潤んだ瞳が、もうすでに俺を受け入れる用意が出来ていると言っているような気がした。


俺を好きだと言ってくれる唇も、艶かしくて俺を誘っているように見える。


今度はゆっくりと味わうように何度もキスをすると、美咲さんもぎこちなくそれに応えてきた。


お互い四年ぶりの営みに、俺達はその時間を取り戻すかのように求めあった。


美咲さんへの愛情を、彼女に感じてほしくて、俺は自分の気持ちを一点に集中させる。


もう言い訳なんかしない……


俺は俺の意思で、もう一度美咲さんの中に自分の全てを吐き出した。


美咲さんに怒られそうになったら、俺は迷わずこう言おう。


「結婚しよう」って……


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