もうひとつの恋
それから一ヶ月後――
「美咲ぃ、萌音ぇ!
公園行くぞー!」
玄関で萌音と散歩に行くための準備をして、二人を待っていると、嬉しそうにはしゃいだ萌音が駆け出してきた。
そのまま俺に抱きつくように飛び込んでくる。
相変わらず可愛い萌音に、またニヤニヤしてしまった。
「純、お待たせ」
もうすっかり名前で呼ぶことに慣れた美咲が、後からゆっくりと現れた。
すると俺の腕の中にいた萌音がバッと顔を上げて嬉しそうに叫んだ。
「じゅん、おまたしぇ!」
「……」
どうやらパパと呼んでくれる日はまだまだ先になりそうだ……
END