もうひとつの恋
「大丈夫だって!

こんな美人が相手で、お袋もビックリすると思うよ?」


そう言って励ましたつもりが、どうやら地雷を踏んでしまったみたいだ。


「まさか、それ……

お母さんにまで言ってないよね?」


「言ったけど?

元CAでモデルみたいな彼女連れてくからって」


「なっ……!何でそんなこと言うのよ!?

ハードル上げないでよっ

はぁ……でもじゃあ年上だってことも言ってあるんだね」


「いや?それは言ってないけど」



「なっ、何で!?

そこ一番言っといてほしいとこなんだけど!?」


そうだろうなぁと思いながら、俺はそんな美咲さんに意地悪してるのかもしれないなと思った。


歳のことをあまりにも気にする彼女は、いかなるときでも卑屈になってる気がする。


だから敢えてそんなことは誰も気にしてないんだということを美咲さんに知ってもらいたかったのだ。


俺の知る限り、自分の母親はそんなことを気にする人じゃないことを知っている。


だからの敢えてなのだ。

「大丈夫だって言ってるでしょ?

美咲さん気にしすぎだって!

ちょっとは俺を信じてほしいな」


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