もうひとつの恋
居間に用意された座布団を美咲さんに勧めて、自分も隣に座る。
母は冷たいお茶と茶菓子を持って後から現れた。
一応、結婚の報告をするために来たわけだから、母を座らせあらたまる。
「母さん、こちら山口美咲さん」
「さっき彼女から聞いたわよ」
それを言っちゃもともこもないだろ?
そう思いながらも気を取り直してもう一度口を開く。
「俺たち、結婚しようと思ってるんだ」
さすがに結婚報告だとは思わなかったみたいで、母は目を丸くする。
それから一呼吸置いて、俺たちを交互に見つめながら言った。
「結婚て……
いいの?こんな男で」
美咲さんに目線を合わせながら、失礼なことを言い始める母……
文句を言おうと口を開きかけた時、美咲さんがポツリと話し始めた。
「いえ、純さんがいいんです……
あの、でも逆に……
私のような者が純さんと結婚することは許して頂けるんでしょうか?」
いつもの美咲さんからは想像もつかない程、しおらしく消え入りそうな声でそう言った彼女に、母はあっけらかんと言い放った。
母は冷たいお茶と茶菓子を持って後から現れた。
一応、結婚の報告をするために来たわけだから、母を座らせあらたまる。
「母さん、こちら山口美咲さん」
「さっき彼女から聞いたわよ」
それを言っちゃもともこもないだろ?
そう思いながらも気を取り直してもう一度口を開く。
「俺たち、結婚しようと思ってるんだ」
さすがに結婚報告だとは思わなかったみたいで、母は目を丸くする。
それから一呼吸置いて、俺たちを交互に見つめながら言った。
「結婚て……
いいの?こんな男で」
美咲さんに目線を合わせながら、失礼なことを言い始める母……
文句を言おうと口を開きかけた時、美咲さんがポツリと話し始めた。
「いえ、純さんがいいんです……
あの、でも逆に……
私のような者が純さんと結婚することは許して頂けるんでしょうか?」
いつもの美咲さんからは想像もつかない程、しおらしく消え入りそうな声でそう言った彼女に、母はあっけらかんと言い放った。