もうひとつの恋
ドサッとソファーに体を預けると、目を閉じて美咲さんの気持ちが落ち着くのを待とうと思った。


確かにそう思ったのに……


「そうなの?」


急な美咲さんからの問いに、俺は何を聞かれているのかわからなかった。


「何が?」


「……あんまり……私は……かっ、感じたことなかったから……

あっ、あの子の時は激し……かったのかなって……」


「えっ!?」


「やっ、別にいんだけど……

昔のことなんだろうし……

でっ、でももしかしたら私で満足してなかったりしたら……

申し訳ない気が……んっ」


美咲さんの言葉を最後まで聞かずに、俺は彼女の唇を塞いだ。


美咲さんが悪い。


あんな可愛いこと言うから…


抑えがきかなくなってる。


啄むようなキスから深いキスへ、何度も何度も角度を変えながら激しく口内を侵食していく。


時々漏れる彼女の吐息が、俺をますます興奮させた。


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