もうひとつの恋
自分の子と同じように接してくれることが嬉しくもあった。


純ちゃんは少しふてくされていたけれど、すぐにいつもの調子に戻って焼きそばを頬張る。


それから思い出したように俺に話しかけた。


「そういや、さっきのなんだよ?

家でなんかあったのか?」


今頃かよ!と突っ込みたくなるのを抑えて、俺は黙って頷いた。


それから美咲と純ちゃんの顔を見比べながら、口を開く。


「あのさ……今日、泊まっていい?」


箸を置いて改まったように言ったせいか、二人が顔を見合わせたのがわかった。


「いいけど……さとみには言ってきたの?」


美咲が心配そうに俺の顔を覗きこんでくる。


「……言ってない……けど」


仕方なくそう答えると、隣に座ってた純ちゃんが俺の頭を優しくクシャクシャっと撫でた。


「わかった……

美咲、あとでさとみさんに連絡いれといて?」


「うん、わかった」


純ちゃんはゆっくり頭に置いた手を離して、それからポンポンと二度程、俺の背中を優しく叩いた。



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