もうひとつの恋
取り出し口から取り出すと、少し考えてもう1本同じものを買う。


2本のコーヒーを両手に持って、課長の元へと戻ると、一本を差し出した。


「はいこれ、良かったら飲んでいきませんか?

外は暑そうだし……

俺が飲みたかっただけなんすけど、課長も付き合ってくださいよ」


グイッと無理矢理コーヒーを押し付けると、課長は俺の手からゆっくりコーヒーを受け取った。


「ありがとう、悪いな?」


そう言って一気に飲み干す課長を見ながら、俺はホッとしながら自分もプルタブを開けてコーヒーを飲み干す。


これで少しはましになったかな?


俺はそう思いながら課長の様子を窺う。


酒臭いことを部下に指摘されるなんて、上司としてプライドが許さないんじゃないか?


そう思ったから、自分が飲みたかったとアピールして課長にもコーヒーを飲ませたのだ。


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