もうひとつの恋
俺は一瞬……課長の奥さんだということも忘れて呆然と突っ立ったまま、こちらに歩いてくるその女性に見とれていた。
とても32には見えない童顔な顔が、課長以外は一切視界に入らないかのように、満面の笑みで近付いてくる。
「健!これで良かったかな?」
ハッと気づいた時にはもう、手の届く距離にいて、課長に忘れ物を手渡していた。
「あぁ、これこれ!
ありがとう!悪かったな?
助かったよ!」
課長が礼を言うと、彼女は嬉しそうにはにかむ。
「ううん……間に合って良かった」
心地いい涼やかな声に、俺はうっとりと聞き入りながら、自己紹介するのも忘れて奥さんを舐めるように見つめていた。
「あ!こいつ俺の部下で桜井って言うんだ。
まだ2年目だけど、優秀なんだよ」
急に話を振られて動揺していると、今まで課長にしか注がれてなかった彼女の視線が、俺にゆっくり向けられた。
とても32には見えない童顔な顔が、課長以外は一切視界に入らないかのように、満面の笑みで近付いてくる。
「健!これで良かったかな?」
ハッと気づいた時にはもう、手の届く距離にいて、課長に忘れ物を手渡していた。
「あぁ、これこれ!
ありがとう!悪かったな?
助かったよ!」
課長が礼を言うと、彼女は嬉しそうにはにかむ。
「ううん……間に合って良かった」
心地いい涼やかな声に、俺はうっとりと聞き入りながら、自己紹介するのも忘れて奥さんを舐めるように見つめていた。
「あ!こいつ俺の部下で桜井って言うんだ。
まだ2年目だけど、優秀なんだよ」
急に話を振られて動揺していると、今まで課長にしか注がれてなかった彼女の視線が、俺にゆっくり向けられた。