もうひとつの恋
「ねえねえ、知ってる?大沢課長、離婚したらしいよ」
「えっ!うそ、まじ?
結構愛妻家だったよね?
ショックぅ!」
えっ!?今、何て言った?
めずらしく社員食堂で昼食をとっていた俺の耳に、女子社員の噂話が入ってきた。
考えるより先に思わず席を立つと、噂をしていた女子社員の席に近づいていく。
「今の話……ほんと?」
急に険しい顔で尋ねられて、女の子達の一人が困惑した様子で答えた。
「あの……えっと、はい……
総務の子に聞いたから間違いないと思います……けど」
俺の勢いに驚いたのか、怯えたようにそう言って、目を泳がせる。
それでも俺は怒りを抑えられなくて、畳み掛けるように彼女達を問い詰めた。
「原因は?なんでか知ってる?」
彼女達が悪いわけではないのに苛々をぶつけながらそう尋ねると、さっきと同じ女の子が口を開いた。