もうひとつの恋
「詳しくはわかりませんけど……

離婚して今は別の女性と暮らしてるらしいってことしか……」

離婚して……?


別の女性と暮らしてるだって!?


頭の中が真っ白になり、顔面蒼白で立ちすくんでいると、彼女たちが心配そうに声をかけてきた。


「あの……大丈夫ですか?」


その声にハッと我に返ると、二人に「ありがとう…」とだけ礼を言って、そそくさと自分の席に戻った。


椅子に座ると、気が抜けたように脱力してテーブルの上で頭を抱える。


その様子を食堂にいる誰もが好奇の目で見ていたけれど、そんなことは構わなかった。


奥さんから電話をもらってから、すでに3ヶ月が過ぎている。


その間、彼女から電話がくることもなかったし、課長からもそんな話は聞いていなかった。


結局、何の力にもなれなかったと思うと、自分の存在が役に立たないちっぽけなものに思えてくる。


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