もうひとつの恋
俺は殴りかかりたいくらいの怒りを抑えて、もう一つ聞きたかったことを課長に聞く。


「他の女性と暮らしてるって言うのも、ほんとなんですか?」


嘘であってほしかった。


祈るような思いで課長が口を開くのを待つ。


「あぁ……それも本当だ……

お前だから言うけど、他の女性とその子供の三人で暮らしてる」


子供?なんだ……それ?


課長の言葉に俺は耳を疑った。


「そのこと、奥さんは知ってるんですか?」


「あぁ……知ってると思う」


その瞬間怒りがピークに達した。


なんでなんだという思いが、課長への憎しみを膨らませる。


「俺、言いましたよね?
奥さんを傷つけたら許さないって……

何度も……言いましたよね?」


震える声でそう言うと、課長は悲しそうに目を伏せた。


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