もうひとつの恋
思いがけず元気そうで面食らったけれど、ひとまず安心した。


どうしようか迷ったものの、俺は真実が知りたくて課長とのことを率直に聞いてみた。


「あの……こんなこと俺が聞くのもおかしいんですけど……

離婚したって聞いて……

俺、どうしても課長が許せなくて……

奥さんのことが心配で、図々しいとは思ったんですけど、電話しちゃいました

あの……もう大丈夫なんですか?」


一瞬だけ声を詰まらせて小さく息を吐いた彼女は、仕方ないというように口を開いた。


「そっか……桜井くんにも知られちゃったんだね?

考えてみればあの人と同じ職場なんだから当たり前か」


くすっと笑いながら自分に確認するようにそう言うと、今度は俺に向けて言葉を発する。


「心配してくれてありがとう

でもね、自分で決めたことだから私は大丈夫!

それよりあの人は……あなたの課長さんは元気にしてる?」


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