もうひとつの恋
「じゃあ定期的に奥さんに連絡しますから、俺の番号……ちゃんと登録しといてくださいね?」


今まで登録してくれてなかったことへの非難もこめて、わざとそうお願いをする。


そんな俺を見透かしたように、彼女はフフフと笑いながら、了解と言ってくれた。


それから急に思い出したように、「そうだ!」と叫ぶ。


「あのね?私、もうあなたの課長さんの奥さんじゃないから……

出来ればこれからは、さとみって呼んでね?」


可愛い声でそんなお願いをされて、俺は耳まで真っ赤になる。


さとみさん……だなんて呼べるようになるんだろうか?


俺は恥ずかしくなって何も言えないまま、どうやって電話を切ったのか覚えてないくらい動揺してしいた。


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