もうひとつの恋
俺はびっくりした拍子に頭の中で考えてた台詞が真っ白になる。


「えっと……あの……こんにちは」


しどろもどろになりながら、なんとかそう言うと、彼女はフフフっと笑いながら自慢気に言った。


「ちゃんと登録したよぉ
びっくりした?」


そんな風に楽しそうに笑う彼女が愛しくて、胸がキュンとなる。


「あ……はい、びっくりしました、あはは」


笑ってごまかそうとしたけれど、彼女はさらに俺を惑わせる。


「じゃあ、はい!

桜井くんにもこないだ宿題出したよね?

言ってみて?」


え?宿題ってなんだろ?


動揺しすぎて彼女の言ってる意味がわからない。


「あの……宿題ってなんでしたっけ?」


「ひどいなぁ、忘れちゃった?

桜井くんが私に携帯の番号を登録してって宿題出したから、私はちゃんと登録したのになぁ

私からは名前で呼んでねって宿題出したでしょ?」


うわ!そうだった、忘れてた。


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