鉛の恋模様
冷め過ぎた感情


いつもと変わらん昼休み


「怜っ!」


友達とお弁当を食べて腹を落ち着かせてた私の所にバタバタと下品な音を鳴らして男が走ってきた


あたりまえの如く此方へ集中するクラス中の好奇の視線


弁当に好きなおかずが多めで気分が何時もよりは良かったのに眉間にシワが寄る


パステルネイル&ゆるふわカールの女子力マジ高ぇ友達の光はそんな私と男を交互に見てオロオロしている


目の前の男はそんな事や皆の視線さえも気にせず私を一心に見つめ叫んだ



「別れるってどーいう事だよ!」

「ツバとんだ、汚い。そしてうるさい」



とっさに光がハンカチを差し出してくれたが、ヤツのツバ如きで柑橘系の香り漂うこの可愛いハンカチを汚すのは忍びないので断って、制服の袖で拭った。



うん、帰って袖部分だけ手洗いしよう。
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