野球少年に恋をした。
渡せなかったグローブ
あの屋上事件から先輩は部活に行っても、ただベンチから練習を眺めているだけだった
一緒に帰っても笑わないし、話さない
そして、先輩は部活に行かなくなってしまった
今日も私は先輩を迎えに行った
「先輩?」
教室には窓の外を眺めている先輩がいた
「先輩?部活…行かないんですか?」
「……」
先輩は何も話そうとしない
あの日から先輩は脱け殻のようになってしまった
「先輩?あの、部活行った方が良いんじゃないですか?」