野球少年に恋をした。



「そんなわけねぇだろ」



「じゃあ、決まり!もし、俺がホームラン打てなかったらきっぱり諦めるから」


「あぁ…約束は守れよ」



「ふっ…じゃあね、陽菜」


「あ…」



お兄ちゃんは私の頭をポンッと叩いて去っていった



沈黙が続く



「…ごめん…陽菜…」



「え?」



「俺、勝手に勝負決めちゃった」



「…先輩…本気出さないですよね?」



監督は、“合宿は調整程度”って言ってた



もし…本気を出してまだ完全じゃない左手を壊したら


もう先輩は…



「ふっ…」



先輩はニコッと笑った



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