Love Again【番外編集】
『今週の土曜日空けといて。』


そう連絡が来たのは、火曜日の夜だった。



「うん!」



『どこか行きたい所とかある?晴香の好きな事しよう』


土曜日は康太の誕生日。


康太は自分では言わないけれど、きっとお祝いして欲しいはず。


「私の事より、康太は?何かしたい事はない?して欲しい事はないの?」


そう尋ねると、少しの無言の後、


『晴香の手料理を一緒に食べたい。最近、全然ゆっくり会えてないもんな。』


「そんな事でいいの?」



『俺には大切な事だよ。』


笑う康太の声。



「わかった。もう張り切って作っちゃう!」


電話を切って、早速料理本を手にとる。


誕生日なんだし、豪華な物を作ってあげたい。



美味しそうに食べてくれる康太の顔が見たい。



部屋の端に置いてある紙袋を見る。


康太の誕生日にと買ったプレゼント。



ベタかもしれないけれど、ネクタイにワイシャツ。


それを着て仕事をするとき、少しでも私の事を思い出して欲しいなって。


康太の喜ぶ顔を想像しながら、私は土曜日に作る料理を一生懸命本を見ながら考えていた。
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