Love Again【番外編集】
暴れる私から手を離してじっと見下ろす直樹。



久しぶりに見る不機嫌そうな顔。



「た、助けてくれてありがとう。それと心配かけてごめんね?」



体に直樹の感触が残ってる気がして照れ臭い。それを悟られない様に俯きながらお礼を言った。




『ったく…気ぃつけろよ!』



頭をぺチンと叩かれ、髪をグシャグシャするように撫でられる。



「ちょっと!!やだ!髪の毛グシャグシャじゃになるじゃない!」



『ははっ!怪我するよりマシだろ?』


逃げるように先に階段を降りる直樹。



手ぐしで髪を整えながら、直樹の後を追う。



『紗英、下駄箱まで競争!負けたらジュース奢りな!』




「狡いっ!直樹のが下にいる分有利じゃん!」



走る直樹を必死に追い掛ける。



端から見ると、今、友達同士がじゃれ合ってる様にしか見えないかもしれないけど…



うん。これくらいの感じが私にはまだ調度良い。



いきなり積極的な態度を取られても、まだ心が追い付かない。



だからゆっくり…ちょっとずつ…




そう思ってしまう私は幼いのかな?



せっかく直樹が照れずに接してくれてるのに、ごめんね?
もう少しスローペースが良いなんて我が儘すぎるかな?
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