Love Again【番外編集】
紗英の笑顔を見ていつもならもっと嬉しくなるはずなのに、思い出すのは、さっきの加藤に向けてた笑顔。


俺に向けた笑顔より嬉しそうに見えたのは気のせい?それとも…


「なあ、さっき加藤って奴となに話してたの?すげー楽しそうに見えたんだけど。」


『え?そ、そんなことないよ!他愛のない世間話。』


世間話…ね。


「なんかお願いしてるようにも見えたんだけど。」


『み、見間違いじゃない?』


見間違い?


じゃあ何でそんなに焦ってる訳?


じっと見下ろすと、見上げてきた紗英と目が合った。


『な、何よ!』


「い、いや。見間違いならいいんだけどさッ』


焦った表情と、ムッとした表情と…そんな顔で俺を見てくる紗英に怯む俺。
情けねーな。でも紗英キレると恐いしな。
最近そうでもないけど、もともと気強い方だもんな。


でも…  


「あんま加藤と仲良くするなよ。」


釘は刺しておかないと。俺にはあいつ紗英に気がありそうにしか見えないし。


前に紗英にそう言ったら、何を根拠にそう言ってるのか、“そんな訳ない”って否定されたけどさ?



『何それ?加藤君はただの友達だってば。』



紗英が単に気づいてないだけかもしれないじゃん。
だから、あんま可愛い顔見せないで欲しいんだよ。


「俺はクラスも離れてて、紗英と一緒にいれる時間、少ないんだから、不安にさせんなよ…」

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