Love Again【番外編集】
急いでメールを打ち返す。
[今どこ?]

そして下駄箱までたどり着くとそこには、紗英が携帯片手に立っていた。


俺に気付いて、小さく息をのむのがわかる。


「紗英…」


キーンコーン…


予鈴が鳴った。


『早く、教室戻らないと、遅刻だよ?』


気まずそうに俯きながら、俺の横を通り過ぎようとする。


「待てよ。」


紗英の腕を掴んで、歩き出した。


『直樹!痛いよ。』


どこか見つからずに話せるところ…


目に付いたのは、ボイラー室と書いた扉。


ドアに鍵はついていない。そこまで紗英を引っ張って連れて行き、中へと入った。


『教室に行かなきゃ。見つかったら…』


「あのさ、それより話したいことあるんだ。聞いてくれる?」

 
紗英は一度俺を見上げて、俯いた。


「俺…今日は誕生日じゃない。」


しばし無言…


けど、勢いよく顔を上げた紗英。
その顔はよっぽど驚いたのか、口がポカンと開いてて…


「間抜け面。」


思わず噴き出してしまった。
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