Love Again【番外編集】
そして自分の家にたどり着き、玄関の前で大きく深呼吸をして、ドアを開けた。


玄関にある大きな靴に、明るい部屋。





そして



『…お帰り。』



愛しい人の姿。



「ただいま。―ッ!!」



玄関と部屋との境目に立つ幸一さんに飛び付いた。



出来る限りの力で幸一さんに抱き着く。
幸一さんの腕が、どうしていいのかわからず、宙に浮いてるのがわかった。



「心配かけて…ごめんなさい。不安にさせてごめんなさい!揺れうごいて…ごめんなさッ…」




『帰って来てくれて…良かったッ。』




宙をさ迷っていた手が、ゆっくりと私の背中へと回った。



その腕が震えてて、ポタポタと降ってくる水滴。どんなに不安にさせてたのかを痛感した。



選ぶのは私だなんて…。突き放されたと思ってたけど、違ったんだ。



私を信じて、言った言葉。


ううん。もしかしたらどこかしら不安に思ってたのかもしれない。だから戻って来た私に心底安心してくれて、今こんなにも泣いているのかな。
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