校風男子に近づくな!!
アタシは…


ティッシュを何個持っていけばいいんだ!?


「遅れるなよ?」


黒石はズイッと私に顔を近づけた。



「だ…誰が行くか!!貴様だけ行けや!!」

私は黒石の顔をぐいぐい離す。


「あぁ?んだとコラ!」


「だいたいね!ありえないのよ!!……こンのイケメン坊ちゃんがー!!」



そこで私の拳が黒石の腹にシュート。


「ぐは…ッ」


黒石は腹を抱えて倒れ込む。


「どうだ。参ったか!」


「すみませんでしたッ!!杏味様ぁ!!」








あっはっはっは…



はっ……はは…






なーんて出来たら凄いわアタシ。


現実では無理ね。




私は妄想を頭の端へ避けると、もう一度黒石の方へ視線を戻した。


「わかったよ…行けばいいんでしょ。」


「ああ。」



黒石は頷くと、また満足そうな笑みを浮かべた。


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