【短】ブランシュ・グロウ
『雪がきみの色になる』
ハァッと息を吐けば、それはもう真っ白で。巻いたマフラーが少し緩かったことに、あわてて締め直す。
下駄箱は外とあんまり変わらないくらいに寒くて、打ち付けたつま先が少し痛い。
「さむ……っ」
「……あ、」
出てすぐ左。ネイビーブルーの指定のコートを着こんで、ノルディック柄の手袋をはめる彼女にすぐ気がつく。
自然と頬がゆるんでしまうところを必死に食い止める。
「こんばんは」
「……こんばんは?」
アクセントが疑問文になってしまった。クラスメイトなんだから、今さら挨拶するのはなんかおかしいような気もして。
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