【短】ブランシュ・グロウ


「そ、そうっスか」

「いえ、あの、っと…チャラくない、みたいな」


少し必死なあたり、ちゃんとした理由があるのだろうと思った。眉を下げて言葉を紡げようとしてくれている。


それだけで、なんだか胸がいっぱいになる。


「サッカー部って、野球部とかより派手なイメージがあって…」

「あー…」

「でもっ、片平くんは全然違って。誠実そうっていうか」


好い人ですよね!と満面の笑みを浮かべられた。っ…直視できない。


そーゆーの、なんていうか知ってますか、千代留さん。不意討ちっていうんですよ。期待しはじめるんですよ。


照れ隠しに自分の髪をぐしゃぐしゃにかき回す。うわー、もう。


( ズルいって… )



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