睡蓮花と愛
まさか、
こんなことが起きるなんて…
「蓮白、お母さん疲れちゃった…」
突然だった
目の前の大好きな母親が椅子にのって
天井からぶら下がる縄…その先には小さな輪
俺はわけがわからずジッと見ていた
「蓮白…さようなら」
ガタッ
椅子が倒れて輪の中に
お袋の頭が入り体はぶらんと力なくなっていた
そして…死んでいた
「お…かぁ…さ…ん?」
当時の俺は"死"なんて理解してなかった
だからお袋が死んでいるなんて
気がつかなかった
そして声をかけ続けた
「おかあさん…っ、お母さんっ!」
シン…、とリビングは静まりかえっていた
ポタッポタッと涙が落ち続ける